工業用ゴム製品は世界中で広く使われているアプリケーションで、自動車用ゴム製品や日々の生活で使われる日用ゴム製品を含みます。
耐久性、インジェクションモールド、押し出し適性等の可能性はこの分野では非常に大切な要素です。特定のアプリケーションでは、シングルユースではなく何度も使用されることを前提に製品設計されるため、これらの要素はより重要になります。
工業用ゴム製品のソリューション
自動車業界は重いスチール製部品を軽量な金属に変え、走行可能距離の長くし、二酸化炭素排出量の削減に努めてきました。例えば、ドアをアルミニウムまたはマグネシウムに変える事で50-70%の車両重量の削減を実現しました。これは車1台あたり40kg以上の軽量化に相当します。しかしアルミニウムもマグネシウムもスチールと組み合わせて使用されると電気化学的腐食が発生し、10⁸オーム cmの絶縁性自動車用シーリングと高電気抵抗性を必要とします。
現在のゴム関連技術はコンパウンド加工性とゴム物性・重量の間のトレードオフに直面しています。特に重さの面自動車メーカーの軽量化指向が強まり続けている為は重要視されています。
当社のRFFはゴムの加工性、性能、最終製品の表面性を高いレベルで維持しながらゴムコンパウンドメーカー様、自動車プロファイル製品メーカー様が求める絶縁性に合致したソリューションを提供可能です。またRFFはその低密度により、既存のフィラーよりも15%程度までの軽量化にもつながります。更にRFFを使用する事で、製品に占める持続可能な原料の比率を30%以上に高めると同時に、カーボンフットプリントを大きく改善することが可能です。まとめると当社RFFを使用した自動車用プロファイル製品は自動車メーカーが目指す車体軽量化、自動車自体の製造に関するカーボンフットプリント、自動車の1キロメートル走行あたりのカーボンフットプリントの低減に貢献できます。
UPMの自動車用ウェザーストリップRFF
ホースは比較的単純な材料を輸送するケースから、適切なな温度管理を要求する材料を移動させるような用途など様々な形で使用されています。ホースは高い耐久性と運ばれる対象（液体・気体など）と使用される条件（気温、圧力等）対する抵抗性によって特徴付けられます。膨張、漏れ、破裂等が発生すると人体、機械、自然環境への深刻なダメージに繋がる為、避けなければならない点として挙げられます。
当社のRFFはゴムコンパウンドメーカー様やホースメーカー様に完璧なソリューションを提供します。
冷却液用ホース
自動車業界、特に現代的な電気自動車にとっては効果的な温度管理は非常に大切な要素です。電池は20-40℃の間で最も効率的に作動し、電池寿命、走行距離最大化につながります。市場にはいくつかの冷却システムがありますが、その中でも間接冷却システムが好まれています。内燃エンジンの冷却システムではホースシステム内を循環します。しかし冷却液用ホースは電気化学的腐食(ECD)と呼ばれる劣化が発生します。この現象を防ぐには冷却液用ホースのゴムコンパウンドが電気化学的抵抗性を持つ必要があり、1010 Ohm*cm 以上の抵抗性をもったインナーチューブが必要になります。現在のゴム関連技術ではCO₂排出量が高い、重いフィラーを使用する事でこの要求を満たしてます。これは自動車産業のサステナビリティ目標と相反するものです。
当社のRFFは電気絶縁性への要求に応えると同時にゴム製品重量を既存の最大15%程度の軽量化を実現します。またゴム製品の原材料のうち25%以上をサステナブルな原料で置き換える事になり、カーボンフットプリントの大きな削減にもつながります。まとめると当社RFFを使用した電気自動車用冷却液用ホースは自動車メーカー様が軽量化と同時に効率的で信頼性の高い冷却システムを導入することに貢献します。それにより、走行距離の増加や、CO₂削減などの付加価値も享受可能です。
燃料ゴムホース
RFFは特に極性ゴムであるNBR, CRとの相性が良好です。ベースとなるポリマーにも寄りますが、機能性、加工性を高い水準で維持しながらゴム膨張摩擦性能は向上します。加えてRFFは燃料ゴムホースの原料における再生可能原料比率を25%程度まで高める事を可能にします。これは大幅なCO₂ 削減につながります。
食料、飲料水用ロースについて
RFFが有害なPAHを含有していない事は直接、食料、飲料水に接するホース用途では大きなメリットとなります。この用途での関連認証の取得は現在、準備をしております。
精密シーリングシステムは目立ちませんが、全ての用途で様々な部品を保護、接続するのに欠かせないものです。この用途は高い設計精度を求められると同時に最も過酷な環境下(温度、媒体、動的・静的状況)でも耐え、機能する事が求められます。対象となる製品はシンプルなオーリングから精密なガスケット、精密なモールドシール、可変エラストマー膜などの範囲に及びます。微細な欠陥も人、機械、自然環境などへの深刻な被害につながる可能性がある為、許されない用途です。高品質エラストマーやフィラーは製品の機能性確保のために使用され、高価なも原料です。その為、生産プロセスにおける高い歩留まりは重要な要素になります。
RFFはユーザーが求める高い品質・信頼性をもつソリューションを提供します。低・中程度の比表面積はコンパウンドの流動性と成形性をもたらします。またRFFの高い純度とバランスの取れたペレット適性は、精密シーリング製品が実際の使用時の安全性の向上と機能性の発揮につながり、またユーザーの生産効率の向上にも寄与します。加えてRFFを使用したコンパウンドは最終製品の軽量化とカーボンフットプリントの低減につながります。
RFFは有害物質であるPAHを含有しません。この点は食品・飲料に直接触れる可能性のある精密シーリングシステムにとり、有用なソリューションとなりえます。この用途でもRFFの検討は進んでおります。
ゴムフロアーメーカーは耐久性、弾性などの重要な物性を損なうことなく、製品に使用される原材料のサステナビリティ向上を目指しています。
UPMバイオケミカルズが提供するRFFはその完璧なソリューションとなります。RFFにより再生可能なカーボンの量を増やすことで、既存のカーボンフットプリントの高い石油由来のカーボンブラック、シリカを代替し、製品のカーボンフットプリントの大幅な削減を可能にします。その他の重要な利点としては、室内空気の質の向上です。重金属、その他の有害物質に長期間晒されることは健康上の大きなリスクになり得ます。RFFは揮発性有機化合物含有量(VOCs)は極めて低く、また重金属は製造工程上、使用されておりません。更には生来の抗バクテリア、真菌性により、RFFを使用したゴムフロアー材は衛生面でも高いレベルを維持する事が期待できます。
またRFFはコンパウンド構成にもよりますが、最大25%程度の軽量化も実現します。唯一の制約はRFF生来の色である濃い褐色がコンパウンドの色に影響します。もしフロアー表層には明るい色が求められる場合には、RFFはゴムフロアーの底面で使用可能です。